今日は憲法記念日ということで、それに関する世論庁舎が新聞テレビ各社から出揃ってきた。
5月3日が憲法記念日なんだけど、憲法が交付されたのは11月3日で文化の日だったりする。結構違和感があるのだけれどその半年後の施工日が5月3日だったということらしい。要するに憲法に関する祝日は実は2日あるのだった。というわけで11月3日の時にも憲法について想いを馳せてあげてくださいね。
【毎日新聞】憲法9条、改正反対52% 「憲法改正」は拮抗
http://mainichi.jp/articles/20160503/k00/00e/010/121000c
【朝日新聞】改憲不要55%、必要37% 朝日新聞世論調査
http://www.asahi.com/articles/ASJ4L3W9ZJ4LUZPS001.html
【日経新聞】憲法「現在のままでよい」初の5割 本社世論調査
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS01H30_S6A500C1MM8000/
【NHK】NHK世論調査 憲法改正「必要」27% 「必要ない」31%
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160502/k10010506971000.html
この憲法関連の世論調査は左向きの人たちが最もいきり立って、大体的にキャンペーンを張る大事な日で、右向きの人々はあまり触れたくないやり過ごしたい日でもあった。とはいえ最近は憲法改正の論議もにわかに高まってきたので、右向きの人々もここ数年は本腰を入れ始めてきているようだ。
実際にのところ憲法を変えるべきという意見は、変えるべきではない、という意見と徐々に拮抗し始めており、その現実は左派の人々にも受け入れざるをえない状況になりつつある。かねてから日本国憲法を一字一句変えさせない、などと豪語していたキチ○イ・・・もとい、out of base を声高に叫んでいるアレな方々もそこの部分は理解しているようで、終わりの見えない防衛戦の防衛ラインをもう一歩下げようとしている。トリコロールカラーの旗が支持母体の党なんかは、連立を維持したいあまり防衛戦を諦めて後退戦に移行し始めてはいるのだが、すぐ後ろは池だ!なんて状態で婦人会の皆さんに背後から撃たれそうな有様。結局、某公明党は板挟みのまま嫌々憲法改正に同調をせざるをえず、改憲は嫌だけど加憲はしてもいいかな〜などと明確に不明確な態度をちらつかせている。
今年の世論調査の結果を見ればやはり全体として「改憲は必要ない」という意見が増えつつあるようで、安保関連法にまつわる反対大キャンペーンが功を奏したという部分はあるんじゃないかと思う。それらが施行されて落ち着いた、という言い方もできるかもしれない。とは云え、朝日の数字だけは異様に突出しているので、郵送調査という方法に問題があるんじゃないかと訝ってしまう。
ここのところの中共やロシアの動きが表面上は落ち着きつつあるので、対外的な脅威というものについて鈍感になりつつあるのではなかろうか。実際には北朝鮮がSSBMからのSLBMの発射実験や、ミサイルの大気圏再突入実験などを行っているので、はっきり言って今までとは桁外れに危険な状況になってはきているのだが、そもそも、あまりにも危険過ぎて友好国だったはずの中国やロシアにとっても脅威になったのだが。それでも、我らが日本国民、もはや北朝鮮の動向は季節の風物詩となり、多くの日本人にとって脅威ではなくなってしまったようだ。誠、慣れとは恐しい。
まあ、そんな憲法9条改正待った無しの状況で、こんな国民の意識では全く嘆かわしいのではあるが、いずれ起こるであろう周辺国の武力行使が現実のものとなるまでに、果たして改憲できるのだろうか。今の瞬間は薄氷の上に平和を享受できているんだけれど、50年先や100年先は誰もわからない。未来の子々孫々への責任と言うものをもう少し自覚して欲しいと願うばかりである。できることならもう一歩進んで、アジアのリーダとして極東の平和と安定に貢献する!くらいの自覚までは芽生えて欲しいところ。
今年はアメリカの大統領が変わる年でもあって、絶対に無理だったはずのトランプさんが、大統領になれない、多分なれない、なれないんじゃないかな、でもちょっと覚悟はしておけ…みたいな感じになってきて、よもやという空気が醸成されつつあるようだ。賢い米国民が自らババを引きに行くとは思えないが、創造論を甘受し、UFOが見える信心深い彼らが間違った判断をするのは大いにあり得る。ジョーカーさんは間違った認識に基づき日米安保について色々おっしゃっておられるが、この際大統領になるのならそちらの方向から日本の自立に大いに協力してもらいたいところだ。
日本国憲法はもう直ぐ70年、いろいろな条文で制度疲労を起こしている。築70年の家を一度もリフォームしないというのはなかなかありえない話だと思わないか。普通20年も経てば水周りばボロボロで、憲法解釈という糊塗策でしのいではきたが限界は通り越している。憲法を最初に作ってから一度も換えていないのは世界広しと日本国憲法だけ。明治憲法から起算したら100年を優に超える。途中蒼い眼をしたおじさんに無理やり変えさせられたが、結局自発的に改正したことは憲政開始以来一度もない。せめて雨漏りくらい治したいな、という意識を根付かせて欲しいと切に願うばかりである。